コラム私感雑感

社民党青年活動のリアルって?

社民党青年活動のリアルって?

碇ナガトシ 2026/03/15

 みなさんは社会民主党という政党をご存じだろうか? 聞いたことある! 高市さんのところでしょ? いやいやそれは自由民主党ですよ! という一番されたくない誤答こそ受けたことはないが、真っ先に返ってくるのが「社民党ってまだあったの?」「高齢者ばっかりのところじゃない?」といった類のリアクションだ。

 そんな惨憺たる印象の社民党で、わたしは東京都の青少年担当を務めている。年齢は二十五歳、ふだんは会社勤めをしている。二十五歳の社民党員は、まさにSSS級のレアものらしい(社会運動の様々な場面で年齢に驚かれる)。ではレアものだらけの社民党でどんな活動をしているのか? ということについてここではご紹介したい。

 まずは簡単に社民党についておさらいしたい。

 社会民主党(略称:社民党)は、前身となる日本社会党(一九九五年に改組)の時代から数えて八十年の歴史を誇る、老舗の社会主義政党である。一九六〇年代の高度成長期には福祉や護憲を掲げ、東京都知事や大阪府知事をはじめとした「革新自治体」の首長を多く生み出し、社会党委員長を務めながら横浜市長のポストに就いたという人物も輩出した。

 社会党の特徴は、当時の最大のナショナルセンタ―(労働組合の全国組織)である「総評」との協力関係のもと、平和運動や労働運動など、様々な社会運動を推し進めた点にある。俗に「総評・社会党ブロック」と呼ばれたこのタッグによって、自由主義陣営の自由民主党と対になる勢力として「五十五年体制」を長く築くに至った。

 そんな社会党の転機は、村山富市委員長時代に組閣された「自さ社政権」誕生時に訪れる。首班に推された村山は戦後五十年を振り返った「村山談話」を公表するなどしたが、これまで社会党が違憲とみなし続けた自衛隊を合憲としたほか、衆議院中選挙区制を改めて小選挙区比例代表並立制を導入するなど、方針の大転換を図った。もちろん党内は大混乱に陥り、村山内閣退陣後は社会党から社民党に改組して再起を図った。しかし、党の半数以上の国会議員が新党・民主党に移籍し、一部の左派議員が離脱して新社会党を結党したことで、勢力を大きく削がれてしまった。

 ここから社民党は党勢を減退させ、二〇〇〇年代後半の民主党連立政権への参画(のちに離脱)、二〇二〇年の立憲民主党への一部合流を経て、みなさんがご存じのように衆議院の議席はゼロ、参議院に議席を二つ残すのみとなってしまった。

 そんな崖っぷち政党にわたしが入党したのが、統一自治体議員選挙があった二〇二三年の春だった。

 ネットでつながっていた自称新左翼の友人から「お前、社民党の選挙の手伝いに来ないか?」という誘いを受けたのが、人生の進むべき道を大きく間違えた最初の分岐点だった。前年の安倍元首相国葬反対デモに参加し、政治へ危機意識を抱いていたわたしは、ノコノコと友人について行き、社民党の区議選候補のビラの証紙張り、カラス(ウグイス)、選挙カーのアナウンサーまで経験した。結果的にその候補は落選したが、党のアットホームな雰囲気とベテラン党員たちの議論好きで頑固なところに惹かれ、協力党員として入党してしまったのだった。

 党に入ったはいいが、いったい何をしたらいいのだろう……? そう悩んでいた時に学生メーデーというノンセクト・ラジカルの学生が運営するイベントに誘われた。そこで大学生の活動家たちと交流を深めたことで、学費引き上げ反対や学内自治擁護といった分野でも活動することになった。そこで出会った学生たちと学習会を共催する中で、入党を決めた仲間も出てきた。

 わたしは、ここが社民党青年活動の大きな特徴だと思う。自民党青年部のように代議員を「先生」と慕い、カバン持ちなどの政治活動にいそしむのではなく、各自が取り組む社会運動を持ち寄って、党をひとつの「交差点」として機能させている現状がある。だからこそ、党の方針や福島みずほ党首を絶対視しないユニークな人材が集まってくるのだろう。組織的な縛りが緩く、活動の制約がほぼ無いことも特色のひとつだ。

 働きかけを続け、少しずつ党員やシンパが増えた結果、二〇二三年暮れには学生や青年のための組織「社民東京ユース」が立ち上げられた。現在、東京ユース所属の党員は十名となっている。

 東京ユースの日常活動は、月一、二回の街頭行動と定例会である。各自の近況報告を行い、社民党をどう対外的にアピールしていくかを話し合う。最近だとZINE(ミニマムでラフな個人の出版物)を作ったらどうかという話も出てきた。国政選挙のときは、青年党員が個々人の時間を割いて選挙活動に参加する。前回衆院選では、フェミニズムを専攻する大学院生の党員がマイクを握り、候補者を激励した。今年一月のある多摩地域の市議選では、仲間とともに大雪の中公営掲示板にポスターを貼り、ポスティングしたことが記憶に新しい。

 青年党員の多くは各自の運動で忙しいことが多く、党活動の時間をなかなか作れていない。しかし都内のスタンディングやデモに一緒に参加するなど、アクティブな状態はキープできている。

 地方の社民党員から聞く限り、これだけ大学生や院生を集められているのは全国でも東京だけなのだという。東京以外にも社民党のユース組織は現存するが、高齢化のほかユース所属の自治体議員の立憲合流などによって組織の実態がなくなったそうだ。

 党員は増えたとはいえ、青年運動はつねに正念場だ。東京のアクティビストたちはぜひ社民東京ユースの門をたたいてほしい。様々な仲間との出会いや学びが待っているだろう。